縫製工場の社長が思う洋服の原価率

こんにちは、さいたま市桜区で洋服のお直しとかボタンホールとか洋裁教室みたいなのもやっている小さい縫製工房ファッションいずみのミズイデ(@fashionizumi)です。

2018年今日から仕事始めです。No.521

2018年の仕事始めに思うこと

2008年のリーマンショックからもう10年経つんですね。

改めて言いますが今年は平成30年。

埼玉県の最低賃金が平成29年10月1日から871円(+26円)です。

東京都は958円、神奈川県が956円で千葉県が868円。

これはあくまでも最低賃金です。

職歴30年の人がそれではないと思うのです。

もしかしたら、それ以上のベテランさんでもそれ以下の人もいるんじゃないかと思うくらいです。

よく知らないけど。

縫製工場の社長が思う洋服の原価率

小さいけれど縫製工場の社長やっています。

最近よく洋服の原価率のことについて触れたブログ等を拝見することが多くなった気がします。

洋服の原価率50%って。

卸しの商売でそれは有り得ないかなって、ボクは思います。

だいたい売値の半分が卸値だと聞いているから。

じゃ、今主流のSPA(自分ちで企画して作って自分のお店で売るアパレル)でもユニクロの38%が優秀だとどこかで目にしました。

確かにあの品質であの値段でなら優秀だとボクも思います。

10,000円の洋服だと3,800円が製造原価です。

製造原価だから、生地代・付属代・縫製工賃+他を合わせた金額。

鎌倉シャツの製造原価は60%です。

4900円+消費税でスタートした鎌倉シャツですが今ウェブサイトを見たら5900円+消費税になってました。

それでもお値打ち品だと思いますけど。

5,900円の60%で、3,540円が製造原価になります。

残りの40%でアパレルメーカーとしての遣り繰りをしている訳です。

その詳細は貞末会長のこのコラムをご覧になっていただきたいです。

メードインジャパンの将来はお客様の支援が必要です

一部引用します。

正規販売で60%正規消化であれば、会社が利益を出そうとすれば小売価格の15%から20%の原価率が求められます。
こう考えると国内で商品を作ることは、難しくなります。
海外比率が高くなり、低い賃金の国を求めて工場探しが始まり、工場建設が、2000年ころから主流になっています。
このことが一時的に会社の延命につながりますが、大量に注文する、シーズンの9ヶ月~1年前から注文しなければなりません。
マーケットの変化・消費動向の変化が予測されても、注文が大前提で物づくりが先行して行われます。
見込み違いをして正規で50%又は40%しか売れなくてもなんとか利益を出すためには、出来るだけ原価の低い事が最重要です。
低価格低原価に拍車がかかり、15%・20%が当たり前になります。
そうなるとこの価格でこの品質、価値観が感じられない、やがて消費者からNOを突き付けられます。
これが現状の一端であることは間違いない事実です。

例えば、弊社のマンハッタンモデル、5,900円を海外平均原価率で作ったとしたら、15%で885円 20%で1,180円です。
私たちはメイド・イン・ジャパンで、工場様には縫製代金を1,450円支払っています、これは市場価格の25%になります。
それに生地代金、付属品包装費、運賃が加算されます。

と、あります。

縫製工賃1450円って安いな。ってボクは思った。

数がハンパないからだろうけど、それにしても安いな。

CAD/CAMで専用ミシンで釦付けミシンでやっても安いな。

そんな印象です。

例えば、時給1000円だとして会社なら一人1時間に3000円は稼いでもらいたいと思います。

とすると、1時間に1人2枚強仕上げなければならないのではと考えるからです。

ラインで生産していると可能なのかな。

でも、すごいですよね。製造原価率60%です。

やっぱり鎌倉シャツはスゴイ。

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