服づくりの哲学 技術にこだわる理由
なぜ“設計意図を崩さずに”仕上げられるのか

若い頃、修業先の親方が縫う“本物の洋服”を初めて見たとき、息をのむような衝撃を受けました。
ひと目で上質さが伝わる服は、ただ仕様通りに縫っただけでは決して生まれません。

のちに知ったのは、それが「ただ縫っただけ」ではないということ。
設計を読み解き、要所にアイロンを当てて布のクセを取り、縫い代といせ分を制御しながら形を“作っていく”。
平面の生地を立体の体に沿わせるための技術――その核のひとつが“癖取り”でした。

「仕様通りに縫えば完成する」
そんな考えでは決してたどり着けない仕上がり。
設計解釈、工程設計、アイロンワークなど、複数の技術が噛み合ってこそ再現できる。
この気づきこそが、当社の技術へのこだわりの始まりであり、今も目標であり続けています。

工房の様子・設備について 想いを形にする場所で、今日も服を縫っている

サンプル制作は、デザインを形にする最初の検証工程です。
だからこそ、意図を汲み取り、細部まで詰められる現場であることが大切だと考えています。

ここは埼玉・桜区。ミシンの軽快な音、アイロンから立ちのぼる蒸気、行き交う職人たちの手。デザイナーの想いを技術に変え、ひと針ごとに世界観を縫い込んでいきます。

工房について

1991年創業。1998年に現在地へ移転して以来、プレタポルテ(高級婦人服)を中心に、少量・高品質なものづくりを続けています。
職人の手に馴染んだ工業用ミシン、立体成形に対応するアイロン台、ボタンホール専用ミシンなど、プロ仕様の設備を揃え、複雑なディテールや立体パターンにも応えます。

取引実績

試作から量産、補修まで。仕上がりに責任を持つ姿勢が、継続的なお取引につながっています。
過去にご依頼いただいたお客様も含め、順不同でご紹介しています。

株式会社foufou

取引内容
専属リペア

毎日の「着たい」を見つめて生まれる、ストーリーのある服を届けるブランドです。

クラシカルな雰囲気の洋服のイメージを大事にしたリメイクを心掛けています。

カネタ織物株式会社

取引内容
オリジナルシャツ縫製加工

毎日を支える一枚のために、まっすぐなものづくりを続ける、信頼のテキスタイルメーカーです。

高密度コットン素材の高級感を大事にした縫製加工を心掛けています。

合同会社CREATE KAMS

取引内容
オリジナル商品の縫製加工

デザイナー熊谷和幸氏のもと、独自のビジョンを反映した縫製加工を行う法人です。

熊谷和幸氏の求める商品のクオリティに仕立てるよう心掛けています。

サリゲナク合同会社

取引内容
オリジナル商品の縫製加工

素材の持ち味を生かす設計で、衣服から眼鏡・靴・鞄までを展開するブランドです。

独自デザインの製品を丁寧に仕立てています。

BRICKWOOD STORAGE

取引内容
オリジナル商品の縫製加工

沖縄市・コザのメンズ中心のショップで、クラシックを基調にユニセックスも扱います。

ここにしかないと思えるオリジナル商品を丁寧に縫製しています。

Blanc YM

取引内容
オリジナル商品の縫製加工

普遍性と多様性を軸に、性別や流行に左右されないミニマル服を追求するブランドです。

ステッチワークが映えるアウターをご評価いただいています。

有限会社マウ

取引内容
オリジナル商品の縫製加工

日々の曖昧な気分をすくい取り、揺蕩うような日常を映す服をつくるブランドです。

デザイン性の高い商品の縫製加工のご依頼にお応えしています。

株式会社TARO HORIUCHI

取引内容
オリジナル商品の縫製加工

ファッションデザイナー堀内太郎氏の毎日ファッション大賞新人賞などを受賞したモードブランドです。

2020年までレディースアイテムの縫製加工を担当しました。

JUNKO KOSHINO株式会社

取引内容
オリジナル商品の縫製加工

時代を超えて愛される、凛とした造形美とエネルギーに満ちた日本発のファッションブランドです。

プライベートライン商品の縫製加工を担当しました。

株式会社ppp plus Company

取引内容
オリジナル商品の縫製加工

セレクトショップ「Repos de midi」を運営し、暮らしに寄り添う衣服と雑貨を提案する会社です。

パタンナー矢野様のご紹介により、サンプル評価を経て、2025年よりオリジナル商品の縫製をお任せいただいています。

株式会社ローゼン

取引内容
オリジナル商品の縫製加工

レザー・ファーを中心に高級素材を扱い、上質な毛皮製品をつくる専門メーカーです。

広島の栗栖様のご紹介を受け、2025年よりお取引しております。

SALUÉ

取引内容
専属お直し担当

2019年からリトアニアリネンを主軸に、男女問わず着られる服を提案するブランドです。

藤冨さんのファンの方から「どうしても着たい」とのご要望をいただき、生地を取り寄せてリメイクしています。

株式会社オールユアーズ

取引内容
専属お直し担当

「着ていることすら忘れる服」を目指し、日常に寄り添うウェアを提案しているブランドです。

2022年から2024年までリペアカスタムマイスターとして活動していました。

株式会社SAYURI TANEI

取引内容
専属お直し担当

種井小百合が手がける、洗練を軸にしたレディースのプレタポルテ&セミオーダーのブランドです。

Instagram投稿をきっかけに当社を知っていただき、プレタポルテブランドのお直しをご依頼いただいています。

how to live

取引内容
オリジナル商品の縫製加工

「楽しい暮らし方の発見」を掲げ、着心地のよい服と暮らしの道具を提案するブランドです。

サリゲナクの東出様のご紹介で、ボトムとワンピースの縫製をご評価いただきました。次回のご依頼もお待ちしております。

PHABLIC×KAZUI

取引内容
オリジナル商品の縫製加工

古着・古布の再製から出発し、「時とともに良くなる服」を志向するブランドです。

デザイナー瀧澤日以氏の世界観あるアイテムを、2018年頃まで縫製させていただいていました。

生産設備

厚物用倍釜ミシン(ABLE) 1台

針23番・糸8番・縫い目長さ6mm対応。厚物縫製向けの倍釜仕様。

本縫いミシン(JUKI) 4台

ベーシックながら精密な仕上がり。主力の縫製設備。

チタンコーティング仕様ミシン 1台

チタンコーティングしてあるミシン針。ジーンズの裾上げ用。

パイピングバインダーミシン 1台

パイピング、バインダー処理専用。裏地無しアイテムの縫い代を6mm幅テープで包む専用のアタッチメント付。

オーバーロックミシン 2台

生地端の処理やニット系の仕上げに対応。

巻きロックミシン 1台

ウーリー糸でふんわりと仕上げる「巻きロック」や、繊細な「メローロック」加工が可能。

ベビースクイミシン 1台

裾まつりを手早く、きれいに行うための、すくい縫い専用ミシン。

ボタン付けミシン 1台

2穴・4穴ボタンに対応し、クロス付けや二の字付け、ゆるみ付きの足付けも可能

鳩目穴かがりミシン 1台

ジャケットなどの金具ホール処理に使用。

電子眠り穴ミシン 1台

シャツやブラウスのボタンホールに。

電子閂止めミシン 1台

強度が必要な箇所の留め処理に対応。

手動延反機 1台

裁断前の地直しや生地セットに活躍。テーブル:2,000×4,800mm

バンドナイフ 1台

多枚数カットが可能な裁断機。

芯貼り機 1台

接着芯の正確な圧着に活躍。

アイロンプレス台(ナオモト) 4台

アイロンワークによる“癖取り”が可能。

ポータブル検針機 1台

洋服の中のマチ針や折れた針などの混入を検知。

工房見学のご案内

「一度、見に来てみませんか?」
想いをカタチにする私たちの現場の空気を、肌で感じてください。

写真や文章では伝えきれないものがあります。工房では、服が立体になっていくプロセスや職人の技を、間近でご覧いただけます。

  • 工場見学は予約制です。作業状況によりご案内できる日が限られるため、必ず事前にご連絡ください。
  • 対応時間:平日10:00〜16:00(ご希望日時は、可能な限り調整いたします)
  • 写真撮影は、用途を確認させていただいたうえで柔軟に対応いたします。
工場見学お申込み

得手不得手 私たちにできること、できないこと

当社は、ただ縫うだけで終わらない“パートナー型の縫製工場”です。
熟練の技術、小ロット対応、柔軟な対話姿勢で、あなたのデザインに真摯に向き合います。その一方で、品質を守るために、受入条件や進行ルールも明確にしています。

私たちにできること

パターン調整やサンプル対応(要事前相談)

仕様のご相談や、既存パターンの微修正も可能です。
初回はサンプルからのスタートをおすすめしています。

デザイナーとの綿密なコミュニケーション

完成イメージや細部のこだわりを丁寧にヒアリング。
ただ縫うのではなく、“設計意図を汲んで縫う”姿勢を貫きます。

アイロンワークを活かした立体仕上げ

“癖取り”や“地の目合わせ”で、服が自然な立体に仕上がります。
見た目だけでなく、着心地にも大きな違いが出ます。

支給素材・副資材への柔軟対応

手配済みの素材にも対応します。
特殊な素材や資材は事前にご相談ください。

小ロット(1型20着〜)の高品質生産

立ち上げ期のブランドや限定生産にも対応可能。
「数は少なくてもクオリティは落としたくない」方に最適です。

定期生産や展示会対応(事前計画に応じて)

継続的な製作やシーズン対応もご相談いただけます。
スケジュールに余裕をもってご連絡ください。

ご遠慮いただいていること

大量・低単価を前提とする案件

少人数精鋭のため、大量・低単価が前提の案件には対応していません。
一着ずつに技術を注ぐスタイルを大切にしています。

設計意図の共有がない丸投げ案件

完成イメージや仕様が不明瞭な状態ではお受けできません。
「一緒に服をつくる」意識を共有してくださる方と協働します。

極端な短納期

誠実なものづくりには一定の時間が必要です。
納期に余裕をもったご依頼をお願いします。

価格のみを最優先とする案件

価格競争ではなく、品質や信頼を重視したご提案をしています。
その方針にご理解のある案件を優先します。

継続的な意思疎通が難しい案件

服づくりには密なコミュニケーションが欠かせません。
スムーズな連絡体制のもとで進行します。

共創ストーリー サンプル制作から信頼関係へ。ブランドと共につくる服づくり。

私たちは、立ち上げ間もないブランドから、セレクトショップに並ぶコレクションブランドまで、多くのデザイナーと一緒に服づくりをしてきました。
一着のサンプルが展示会でバイヤーの目に留まり、次のシーズンへとつながっていく――そんな現場のドラマに立ち会えることが、私たちの誇りです。

カネタ織物株式会社

https://www.kaneta-orimono.com/

綿織物の製造・販売。

シャトル織機を用い、高密度・細番手・強撚糸など難度の高い織りに取り組み、独自の技術を磨いています。

シンプルな設計ながら、手にしたときの存在感を重視した生地づくりを行っています。

“織りの哲学”に応える、高密度生地のための特注縫製

静岡・掛川の地でシャトル織機を用い、密度の極限に挑む綿織物を織り続けるカネタ織物株式会社。
その生地はシルクのように滑らかで、国内外のブランドやメゾンから高い評価を得ています。現在はご注文からお時間をいただく状況です。

私たち(ファッションいずみ)は、そのこだわりの生地を使ったオリジナルシャツの縫製パートナーとして、2022年に取引を開始しました。
「Made in Japan の品質を体現する縫製を」というご相談が出発点でした。

高密度ゆえに一般的な縫製ピッチでは生地に負担がかかるため、針番手や糸の張力、運針、押さえ圧まで一着ごとに最適化し、丁寧に仕立てています。

私たちは、ただ縫うだけの工場ではありません。
糸のテンション、針の深さ、運針の均一さにまで向き合い、織りの思想が息づく一着として服を完成させる。
それが、ファッションいずみらしい仕事です。

カネタ織物株式会社 太田充俊 様より

なぜqanetaは、縫製をファッションいずみに依頼しているのか

qanetaを立ち上げるにあたって、私はまず「織物の力で、産地・遠州の未来を織りなおす」ことを強く意識しました。
自社工場・カネタ織物でしか織れない超高密度の綿織物は、世界にも類を見ないものです。
けれど、どんなに素晴らしい生地があっても、それを服に仕立てる工程――つまり「縫製」が追いついていなければ、最終製品としての完成度は満たされません。

私は縫製についてはまったくの素人でした。
だからこそ、むしろ妥協はできなかったのです。
自分の判断ではなく、“縫製のプロからの確かな推薦”を頼りに、本当に信頼できる方にお願いしたい。
そうして辿り着いたのが、埼玉県さいたま市に工房を構える「ファッションいずみ」さんでした。

ファッションいずみさんに出会って最初に驚いたのは、工房の代表・水出さんが発信する情報量、そして“見えない部分”への徹底したこだわりでした。

彼らは、服の見た目がきれいに仕上がることを超えて、見えない縫い代の始末や中間アイロンの丁寧な入れ方、指先の動きひとつひとつにまで意識を行き渡らせています。
それはまさに、私たちが織物づくりで目指している「誰にも真似できない技術を、日常のように積み重ねる姿勢」と同じ匂いがしたのです。

ある方が「誠実の源泉」と評していました。
まさにその通りだと感じます。

qanetaが求めているのは、“ハレの場で目立つ服”ではなく、“日々の中で、ふとしたときにじわっと感動が湧き起こるような服”です。
それには、工程のすべてに誠実であることが絶対に必要でした。

  • 見た目で伝わる「運針の細やかさ」や「エッジの正確さ」
  • 見えない部分で支える「袋縫いや縫い代の始末」
  • シャツを形作るために欠かせない「中間アイロンの多さ」
  • 角をきちんと折り、確かに縫い進めることの積み重ね

それらを、黙々と丁寧にやり続ける。 そして、技術だけではなく“なぜそうするか”という哲学まで共有してくださる。

その存在が、ファッションいずみさんです。

qanetaにとって、ファッションいずみさんは「ただの外注」ではありません。 遠州の生地と、埼玉の縫製――土地も職域も違う私たちが、一着の服に込めた思いを“共振”させるための大切なパートナーです。 共につくるこの服が、「産地の技術とは何か」「本物のものづくりとは何か」を、静かに、けれど確かに語ってくれると信じています。

取引の流れ ご依頼から納品までのステップ

  1. ご相談
    • 当サイトのお問い合わせフォーム、またはお電話(048-677-3728)でご相談ください。
    • パターンの有無、生地、ロット、納期感など、わかる範囲で大丈夫です。
    • 「どんな服を、どのように作りたいか」をお聞かせください。
  2. ヒアリングと条件確認
    • オンラインまたは対面にて、お打ち合わせ(日時はすり合わせとなります)
    • サンプル対応の可否、工期、条件などのすり合わせを行います。
  3. 試作
    • パターン支給または、ご相談ベースで制作開始
    • 内容に応じて、初回試作 → 調整 → 再試作にも対応可能です(別途費用)
    • サンプルまでのご依頼も承っております。
  4. 本生産
    • スケジュール調整のうえ、製作開始
    • 各工程で進捗報告も行えます(必要に応じて)
  5. 納品
    • 検品、納品
    • 継続取引をご希望の場合、次回スケジュールのご相談ください。

Q&A よくある質問

パターンが完全でなくても相談できますか?

はい、まずはご相談ください。現在の状況や仕様書の有無を確認し、対応可能かを判断いたします。内容によっては、まずサンプル制作からの進行をご提案する場合があります。

素材や副資材は支給できますか?

はい、支給素材・副資材での進行にも対応しています。素材や付属の種類によって仕上がりや進め方が変わるため、事前に内容を確認させていただきます。

最小ロットは何着からですか?

本生産は1型20着程度からご相談いただくことが多いですが、サンプル制作は1着から対応可能です。

サンプルだけの依頼も可能ですか?

はい、可能です。量産前の確認用サンプルや展示会用、撮影用など、サンプル制作のみのご依頼にも対応しています。

初回の納期目安はどれくらいですか?

初回は内容確認やすり合わせも含めて、4週間前後を目安にご案内しています。仕様や時期によって変動するため、お急ぎの場合は事前にご相談ください。

価格はどう決まりますか?

価格は、アイテムの種類、仕様の複雑さ、素材、ロット数などによって決まります。内容を確認したうえで、お見積もりをご案内いたします。

遠方からでも依頼できますか?

はい、遠方からのご依頼にも対応しています。お打ち合わせはオンラインでも可能ですし、素材や仕様書をお送りいただいたうえで進行することもできます。

ブランド立ち上げ段階でも相談できますか?

はい、可能です。立ち上げ段階のブランド様からのご相談にも対応しています。状況を伺いながら、サンプル制作や小ロット生産の進め方をご案内します。

まずはサンプル1型から、ご相談ください。
私たちは、サンプル制作から量産、納品後のアフターケアまで、ブランドの成長を技術で長く支えるパートナーでありたいと考えています。

ご相談は、当ページ下のフッターのボタンからお気軽にどうぞ。