洋服に接着芯を貼る時の注意と方法。

お疲れ様です。やっぱり秋めいてきましたね(本当に夏は短いです・・・)お盆休み明け、矢継ぎ早に各先様より納品の段取り状況の確認電話がありました。ご安心ください、ツツガナク進行中です。
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さて、今日は接着芯のことを書きます

どうして接着芯を貼るのでしょうか。

表生地に張りを持たせるために接着芯を貼ります。特に総裏付ジャケットの前身頃には必ずと言っていいくらい全面芯を貼ります。後ろ見頃は背芯といって、背中の肩から肩甲骨辺りまで部分芯と裾芯を貼ります。袖口にも部分芯を貼り衿と見返しは全面芯。前身頃と見返しには硬めの芯を、その他は少し柔らかめを選ぶことが多いですね。前身頃の肩からバスト辺りまで胸増し芯を更に貼ることも地衿も増し芯を貼る場合があります。

貼る時のポイント。

接着芯は、芯貼り機を使って貼ります。当社ではベルト式の機械で右側から表地の上に芯を乗せて機会に入れると左側から貼られて出てくる超便利な機械芯貼り機の動画はボクのTwitterにアップしたのでよかったら見てね!ポイントは、温度と時間と圧力の設定です温度は135℃、時間は12秒、圧力1.5kgが標準値。温度が低すぎたり時間が短すぎたり圧力が足りないと接着芯に付いている糊が完全に溶けなくて剥離を起こす可能性があるのでそこは間違いの内容に設定しています。機械が間違わないとも限らないので、接着試験も行います。バネ計りを使って強度がちゃんとあるかどうかを調べます。
最近の接着芯は改良されて良くくっつきますので昔ほど心配は無くなりましたが昔は接着芯がクリーニングに出したら剥がれてしまった!そんなクレームが多発?したそうな。

素材によっても付きやすい生地とそうでない生地がある。

接着テストは必須です。それと表生地の裏面に接着芯を貼りますが樹脂バックと言って接着芯の糊が生地の組織の隙間から表側に染み出すこともあるので生地によって接着芯の選定が重要になります。

最近ではカチッとした洋服より柔らかい雰囲気の服が流行っている。

今の洋服は、接着芯をデキルダケ貼らない傾向にあるように感じています。それはそれでありがたい一昔前は、ジャケットの芯を4種類.5種類使い分けていたメーカーさんもありました。それだと裁断が大変なんですね、そして4サイズ展開とか・・・orz

 粗裁ちしてから正裁ちします。

以前も書きましたが、当社ではいきなり正裁ちはしません。粗裁ちして接着芯を貼ってからパターン通りにバンドナイフを使って裁断します。理由は、生地が熱によって収縮するからです良く縮む生地は1㎝くらいツマル場合もあります。生地をパターンと同じに裁断して、接着芯もパターンと同じに裁断してそれを同じように乗せて貼るのは至難の業なんです。しかも、貼ったら縮んでた!?その時点で指定寸法に作り上げるのは無理になります。だから、あらかじめ大きめに外回りを粗裁ちして接着芯も同じに裁断してから芯貼りをします。そうすると縮んだ状態からパターン通りに裁断するのでそれ以上はもう縮まないので接着芯を貼らないパーツも芯貼り機を通して縮めてから裁断します。もう、そこで一手間掛けてます。今はそれがどこの工場でも標準になりました。

芯貼り機の種類。

芯貼り機の種類はローラー式と、プレス式の2種類があり当社で使っているのはローラー式の巾が35cmくらいまでしか貼れず、もっと大きいパーツは2回とかに分けて貼っています。
予算があればASAHIの芯貼り機で90㎝巾のベルトローラー式が欲しいけど置く場所もないです。
プレス式は、上から鉄板を下ろしてきてぎゅーっとサンドイッチ状態に挟んで貼ります。これだと貼っている時間が暇になります、ローラー式は次から次へと機械に入れられますから、入れたら出てきているパーツを取ってまた入れての繰り返しで無駄なく貼れます。
また、芯貼り機は電気を食うので動力と呼ばれる三相200Vの機械になるので機械導入に別途費用が掛かってしまい、小さいアトリエ規模の中には芯貼り機が無いところもあるように聞いたことがあります。
そんな時は、アイロンで貼るしかありません。
今日はこの辺で終わりますオヤスミナサイ。

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