僕ら縫製職人は基本的に黒子に徹しています
2016-08-26
ミノルホドコウベヲタレル稲穂カナ
- 投稿日
- 2016-08-28 22:00
- （2021-08-28 15:38 更新）
目次
コンニチハ、まだ8月下旬というのにすっかり秋めいてるさいたま市です。
今日は日曜日なのに入社試験を行った為、久しぶりにミシンを踏んだミズイデ（@fashionizumi）です。
今月はブログ書いていない日が多いので書こうと思います。
実るほど頭を垂れる稲穂かな2016
ボクは少し上手く行くと直ぐ調子に乗ってしまいます。
逆に全く上手く行かなくなると即行凹んでしまいます。
要するに一喜一憂な男です。
上手く行っている時は、調子に乗って美味い物食べたり楽な道ばかり通って働きが悪くなったりしてしまいます。
少し小銭があると新しいミシンとか買ってしまったように金使いも粗くなってしまう。
その後に働きが悪くなった時のしっぺ返しとミシンを買ってしまった支払いとが重なり、あ、やべっ！となります。
今は尻に火が付いたからかなりガンバッテマス。
縫製工場は基本待ちです。仕事の依頼を待っています。
忙しい時は、忙しさがハンパない。もうお腹いっぱいで食べられないのに食べなきゃならない苦行のような状態。
食べるのが楽しみから苦しみに変わるのと一緒でもう縫いたくない、少し休ませてー。
そして暇な時は仕事が無くて飢え死にしてしまいそうになる時あります。
１食くらいは抜いても何とかなるけど、はらへった時は何でもいいから食いたくなる。
お腹空いたよー、なんか食べさせて欲しいな。と思った時に食べさせてくれる人は本当に有り難いです。
でも、自分からはお腹空いて死にそうだよ、なんて言いません。それだけは言いません。はい。
言わなくても不思議と誰かが食べさせてくれます。
本当にありがとうございます。
仕事が無い時は、感謝が足りなかった
そう、何年前だろう？
１０年くらい前になるのかっ！
その頃は松ノ木縫製さんの協力工場として仕事は全部面倒見てもらってました。
営業から技術指導も、それと人間教育。
言うなれば、美味しいごはんが三度三度毎日食べられる状況でした。
縫製工場で何が大変なのかと言えば、それは「営業」です。
そう、仕事の受注は今も昔も死ぬほど大変です。
僕らは縫製加工賃が高い仕事を受注したい、それには信用が無いと仕事を頼まれません。当たり前です。
松ノ木産地にはそんな仕事がたくさんありました。
そんな高い加工賃の洋服を縫ったことが無かったのに、縫い方まで教えてもらって検品までも至れり尽くせりとはこのこと。
そして、支払いもきっちり。メーカーさんの締めに入っていなくてもボクには払ってくれた。（工賃の前払い）
いやー、本当に楽でした。全部面倒見てもらってもう怖いものなんてなかった。
そんな時に僕は最悪な男になってました。ふてぶてしさ極まりなかったと今でも人生最悪の時期かなと反省してます。
自分で何もしていないのに調子に乗ってしまいました。
本当にスイマセンでした。
このままでは、お前がダメな人間になってしまう
そう言われて、自分自身で仕事を受注してきなさいと温室から一気に野に放たれた。
それでも、何かと仕事の受注には便宜を図ってもらってましたが松ノ木縫製組からは破門されました。
破門されて当然でしたから、今では破門されたのも愛情だったんだなと感謝です。２００８年のことでした。
その後は、縫製仲間から仕事をもらったり自分でも受注先を探したりして今に至ります。
人間とは浅はかな生き物です。
仕事には繁忙期と閑散期があり、忙しい時には調子ブッコイテ態度でっかくなり、暇になるともう平身低頭になってた。
もう、最悪でしたね。
仕事がある時は偉そうにして、仕事が無くなるとクレクレタコラになる。
そんな奴誰も相手にしてくれませんでした。
そんな奴が、なぜ改心デキタノカ？
それは、やっぱり親方の教えがあったから。
直接言われたの言葉は、「今忙しくても暇になる時期が必ず来る、その時無かったらどうするんだよ！」
そりゃそうだ！何十年もやってりゃそれくらい分かりそうなもんなのに、分かっていてもバカだら調子に乗ってました。
ホントスイマセンデシタ。
それからは、その時にもらった言葉。
実るほど頭を垂れる稲穂かな
それ以来この言葉を忘れない。
調子に乗ってもかっこ悪いだけです。
カッコよく生きたい。
やっぱり仕事に感謝して謙虚なのが一番カッコいい。とやっと気づいたんです。（おそっ）
この時期になると会社の前の稲穂を見て自分を戒めてます。
人徳のある経営者は会社が大きくても偉そうになんてしない。こんな僕にも頭を下げてくれる。
そんな人に憧れる。
ボクもそうありたい。
台風が心配です。もう少しで稲刈りなのに。
皆さんも台風にお気を付け下さい。
では、また。
夏の終わりのツボ曲♪
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