ルイス(掬い縫いミシン)の思い出。

ユニオンスペシャル|Lewis|掬い縫いミシン

いつもブログを書き終わってからタイトルを決めていたボクですが今日は最初にタイトルを決めました。

Lewis|ルイス(掬い縫いミシン)の思い出。

いきなりですが、裾上げのことを「ヘム上げ」って言います。(業界用語)
スカートのヘム4センチでルイス始末してください。などと縫製仕様書に書いてあります。
その「ルイス」=裾まつりミシン始末の総称になっていますが実は掬い縫いミシンの「Lewis」からそう指示するようになったらしいです。ルイス以外にも裾まつり掬い縫いミシンはあります。(奈良ミシンのトレジャーとか)

修業時代の初めは

アイロンからロックミシンをひたすら作業する毎日でした。1年生はスカートから覚えましたスカートの生産が主な担当でした。ロックとアイロンを覚えたら次は裾まつりミシンです。
スカートでもタイトスカートは裾が真っ直ぐなのでルイスし易かったけれどフレアースカートは大変でした。
それは円形のような裾廻りなので内法外法がありどうしても裾端の方が長くてそれをいせ込みながらルイスしなくてはならないのです。教えてくれた先輩の早いことったらありませんでした。どうやってるの!?ってくらいお見事で裾廻り4mくらいあるスカートのルイス掛けるのに一度も止まらないんですよミシンを踏むスピードも一定でリズムに乗ってるように軽やかな感じでした。
負けず嫌いなボクでしたからその日から必死になってルイスの練習しました。だって、トロトロトロ・・・トロトロトロってしか踏めなかったので練習の賜物とはよく言ったもので、自然とデキる様になってました。
どうやるのって聞きました、アドバイスももらった。だけど、練習して自分で感覚を掴むしかないんだなって思った。ロックミシンもアイロンも感覚ですね、どれだけやったかです。

工業製品なんですけど。

高級婦人服って工業製品ですけど全部を機械化することは無理だと思う。
それは、脱技能を図れる工程は機械化していいと思います。でも要所要所で縫製職人の感覚って重要になっていると思う。素材が違うと手加減が重要になってきたりしますから縫製のいい塩梅は長年の経験から出せる味ですかね。愚直に続けてきた者にしか習得できない技術だと思っています。

独立する時に。

思い出のルイスミシンが古くなって新しい掬い縫いミシンを導入したからお役御免で工場の片隅に置いてあったので、「社長、このルイス要らないのだったらボクに譲って下さい」とお願いしてもらいました。
そのルイスはファッションいずみでまだまだ現役で活躍してくれています。若い頃一生懸命練習したルイスだからこれからも頑張って働いてもらいます。
今日も読んでいただきありがとうございます。
最近サンプルラッシュの為裁断が追われてしまってブログが書けません。ネタは山ほどあるのに。(ほんとかよ)では、また。

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