洋服って縫製よりもパターンが重要

おはようございます、最後の縫製職人見習い社長ミズイデ(@fashionizumi)です。

昨夜のドラマ「重版出来」にハマっているのは我が家だけではありませんね

昨日のドラマで「普通じゃなくてもいいじゃないか!」ってセリフが心に響きました

マンガでも同じようなモノがいっぱいなんだなぁって思いました

洋服でも外食産業でも何でもモノは溢れていますからね

その中から選んでもらうのは至難の業ですな

さて、ボクが洋服を縫っていて思うことを書きます

洋服を縫っていて思うこと

洋服のブランドにはどれもコンセプトがあります

そこからデザイナーさんが画を書きます

その画を見てパタンナーさんがパターン(型紙)と縫製仕様書(設計図)を作成します

それからプロトタイプ(原型)を何らかの布を使っていわゆる試作品を作ります

それを修正したりしてから本生産用の生地を使ってサンプルを作り

その後に展示会などでバイヤーさんに見てもらってオーダーが着いた数だけ本生産する

これが大まかな流れですが

国内縫製工場が減っているのは周知の事実

だけどふと思ったのはパターンナー、パターンメーカーさんの現状はどうなんだろうと

縫製の仕上がりも大事だけど

その前の設計がちゃんとしていなかったらきれいな服ができるのかな?

そんな疑問を持った次第です

きれいなシルエットの服は縫製技術だけではどうにもならないと思うこともしばしばある

先日テレビで見た、家庭で作るスパゲッティが美味しくない理由

プロは家庭で使う3倍の塩を入れてゆでていた、そうするとソースが良く絡んで歯応えも良くなって美味しいんだそうだ

でも、市販のソースを使うとしょっぱくて食えない。プロはソースを作る時に塩分を減らしていい塩梅に

見た目は同じでも味は違う、プロと素人の差

そんな差が洋服のパターンにもあるんじゃないんだろうか

きっとあるはず

以前、近所のおばさまに訳のわからないコトを頼まれた時にも感じた

いい加減なキタナイ手書きの(定規を全く使っていない)型紙ともよべない代物と生地を渡されて

「簡単なワンピースをこれで縫って、あとは適当に縫製のプロだからできるでしょ」って

縫えませんからー!

縫代も書いてないし(あるんだかないんだか?上がりパターンなのかそうでないのか?だった)

脇も後と前で長さ違うし、長い方はギャザーでも寄せるの?タック取るの?ダーツにするの?

縫製と言うか、パターンを舐め過ぎでした

それで商売出来るって何なのぉって思いました。(なんかのお教室を主催されていたようでした)

パターンナーを育成

縫製職人と同じようにパターンナーとして一人前になるには長い経験が必要なんですよね

最初に書いたようにアパレルメーカーさんの仕事でも

「このパターン変じゃね?!」って思うことがあります

それってどうしたらいいんでしょうね

とある、縫製工場ではパターンの修正機能を持っているらしいと聞いた

そうか、縫製工場がパターンを作れれば便利じゃん

しかし、言うは易し行うは難しです

これも聞いた話

誰が穿いてもお尻のラインがきれいに見えるパンツ(下着じゃないよ)

そのパターンを長い年月を掛けて研究、解析してモノにした縫製工場があり

そのパターンで商品サンプルを作って、内輪の人に穿いてもらったらえらく気に入られちゃって

「値段はいくらでもいいから買うわ♡」だったそうな

もっと言うと、それは商品サンプルだから新しいの作るから出来上がるまで待ってって言っても

「これがいいの!」って言って聞いてくれず

仕方なく展示用のサンプルをもう一着作り直したんだけど

また、それを買われちゃ敵わないから

わざと裾を短く上げて作ったって言うてました

ヒップラインを見てもらうだけの見本だから

少しでも細く長く見られたい

お直しのお客様のご要望を聞いていると

やっぱり、着て細く見える様にしたいんです

脚が長く見える様にリメイクして欲しいって多くの方が言われます

でも、ヒップラインは設計で決まっちゃうからせっかく直しても理想通りにはなりませんよ

新しいパンツ買った方がいいですよ

そう言ってます

毎年新しいデザインの洋服が作られてますけど

それなりに進化しているんです

ボクが今日お伝えしたかったことは、洋服も設計(パターン)が重要だってことです

以上です

ではまた~

YAMABIKO♪かっこいいですよ

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